1台あると野外や現場などでもいろいろな作業・活動ができてしまうインバータ発電機。
目的に合ったものを選べればできることが格段に広がるのでぴったりの物を選びたいものです!
でも種類が多くて・・・そんな方の為に各社から出ている代表的なインバータ発電機を分かりやすく比較してみました。
大きさだけでなく価格もばかにならないアイテムだけに、初めての発電機選びは大切です。
代表的なメーカー6社の物を1つずつ比較紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください!
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インバータ発電機選びの際注目する3つのポイントとは?
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持ち運びに関わる項目も今回は重要です。
多くの場合インバータ発電機は野外で使用され、車両で運ばれます。
しかし現場によっては駐車場からの距離など手で運搬しなければならないことも多いので運搬が可能そうなものかどうかは確認しておきましょう。- ○重量・・・かなり軽量の物でも10kg前後はあり、平均的なものは20kg前後あるとみておきましょう。(機種によってはより以上です。さらに燃料がガソリン注入タイプの場合、(入れたまま運ぶことはそう、ありませんが)その分更に重くなってしまいます。
普通に持ち上げるとすぐに運べなくなってしまうので重さによってはキャスターの有無など確認が必要です。○サイズ・・・ほとんどの場合は野外使用なのでサイズ自体で置き場所がない、ということはあまりありません。
しかし運搬の際に車両を使うことも多いのでサイズによっては搭載が難しい場合があります。
縦×横×高さのサイズは必ず確認しておきましょう。○取っ手やキャスターの有無・・・これもポイントになります。取っ手はほとんどの場合ついているのですがキャスターについてはついていない大型の機種もあります。(平坦地での設置は絶対条件だからかもしれません)
その場合は重量によっては運搬できるか確認が必要です。燃料の供給方式はどちら?
インバータ発電機の原理はエンジンと同じです。
燃料を燃焼させて電力に変え、それを安定供給していくので『何を燃やすのか』がポイントになります。- ○ガソリンを注入して燃焼させるタイプ
このタイプが圧倒的多数派です。
原理は石油ストーブと同じなのですが使用するのは自動車用のレギュラーガソリンになります。
自動車の物と使いまわしも出来ますが燃料なので扱いに注意は必要ということと、長期間使用しない場合は燃料を抜いておくなどの配慮が必要になります。使用の前後に手がかかってしまうというのはあるでしょう。○市販のガス缶(カセットボンベ)などを接続していくタイプ
比較的小型のインバータ発電機に多く、通常はカセットボンベを2本接続するものが多いようです。
他のキャンプ用品のように方向を合わせて挿入しロックするだけで使用可能になるのでお手軽といえるでしょう。
また使用後も取り外して保管しておくだけなので使い勝手は良いのかもしれません。
総重量の面で見ていっても液体ではないので重くはならないのですが一方で残量を確認するのが難しいので万一切れてしまった場合にガソリンと違って車から転用するなどできないデメリットはあるかも知れません。
※機種により連続運転可能時間の目安があるのでそれを見る必要があります。※このほかにもどちらのタイプにもエンジンオイルは必須です。
燃料注入前にエンジンオイルを充分に入れて置かないと保護回路が働いてしまい、エンジンがかからないなどのトラブルがあるので燃料とは別に必要になると思っておきましょう。肝心の性能は、どの数字を見ると分かりやすい?
通常のインバータ発電機の場合コンセントは2つ付いています。(大型のものの場合もっと多い場合もあります。)
同時に複数の電化製品を使うことができるわけですが大電力を食う製品の場合、性能がオーバーして負荷がかかり過ぎてしまい使えなくなることがあります。
機種によってどの程度の電化製品をいくつまで使えるかは数字を見ればわかりやすいので、その指標を1つご紹介します。- ○交流出力[定格出力(kVAまたはW)]
どの機種にも記載があり通常は「定格出力:0.85kVA (定格電流:8.5A)※どちらも同じ意味です。
このように記載されています。
この数字が大きいほど大電力を使う電化製品をつないで使用できるということです。(上限値と思ってください)たとえば定格出力:1.6kVAの場合は、1600Wまでの電力消費に対応できるということです。
例えば電球であれば100W程度の物が多いですしノートパソコンなら200W程度、炊飯器やホットプレートであれば1000Wを越えるものもあります。
またインパクトレンチやマルノコなどの電動工具であれば500-1200W程度、大型冷蔵庫で250Wといわれています。
※この辺りはそれぞれの製品の表示をご覧ください。こうしてみると、ほとんどのインバータ発電機は1500-2000w(1.5-2.0kVA)まで対応しているのがボリュームゾーンなので、一見かなりのものまでつないで使用できるように見えます。
ただし「起動電力」には注意してください。
よく電球が切れるときに、スイッチを入れた瞬間一瞬点灯して消えてしまったことはありませんか?
またエアコンなどは環境によってはいちいち切るより、つけっぱなしの方が電気代がお得だ…という話もありますよね?
電化製品のスイッチを入れた瞬間は、製品によっては大きな負荷がかかり、それも加味した「定格出力」を備えている必要があるわけです。電化製品によるのですが起動時の電力は1倍~4倍かかります。
起動電力が消費電力の1倍ですむもの
ノートパソコン、白熱電球、テレビ、ハロゲンヒーター、ホットプレート、コーヒーメーカー、家庭用炊飯器など起動電力が1.1倍~2倍程度になるもの
扇風機、電子レンジ、電動サンダー(やすり)、電気ノコギリ、チェーンソー、電動ドリル、ハロゲンライト、インパクトレンチなど起動電力が2.1倍~4倍程度になるもの
水銀灯、家庭用冷蔵庫、エアコンプレッサ-、小型クーラーなど例えばノートパソコン(消費200W 起動時200W)と、ハロゲンライト(消費250W、起動時500W)を同時につなぐ場合は700W必要ですので、定格出力0.7kVA以上あればいい、という計算になるわけです。
※これは同時に起動する場合、瞬間的に0.7kVA必要になるという意味ですので、それぞれの製品の起動と、接続のタイミングをずらすことである程度軽減できます。「どんな電化製品を接続するのか」
「その消費電力と起動電力はおよそ何Wなのか」
想定してその合計を上回るようにすればいいわけです。 - ○重量・・・かなり軽量の物でも10kg前後はあり、平均的なものは20kg前後あるとみておきましょう。(機種によってはより以上です。さらに燃料がガソリン注入タイプの場合、(入れたまま運ぶことはそう、ありませんが)その分更に重くなってしまいます。
- ヤマハ 防音型インバータ発電機 EF900iS
- ホンダ EU16iT1 JN3 正弦波インバータ搭載発電機
- マキタ(Makita) インバータ発電機 出力 2.5kVA EG2500I
- デンヨー インバータガスエンジン発電機 GE900P
- 工進 インバーター発電機 (定格出力1.6kVA) GV-16i
- 新ダイワ インバータ発電機(防音型) IEG1600M-Y
50Hz/60Hz (切替式)
交流出力:[定格出力(kVA):0.9]
新開発の小型軽量エンジンと、新設計マフラー設定による『静粛性』を実現
大容量燃料タンクによる『長時間運転』が可能
定格電圧(V):100
電流(A):9.0
使用燃料:自動車用レギュラーガソリン
燃料タンク容量(L):2.5
全長×全幅×全高(mm):450x240x380
備考:新設計小型4ストローク・OHV・シングルカム・50ccエンジン、小型軽量インバーターユニット、重量当たりの発電量に優れる小型多極マグネトウ発電体に加え、樹脂製カバー類を採用しています。
クラス最軽量の本体12.7kgを達成。
実勢価格は7万円台から。
この機種の特色はなんといってもその軽量さで、片手でも持ち運びは可能です。
その一方で重量の割にはパワフルなものの定格出力が0.9kVAと押さえられているので使用できる製品には限られるようです。
家庭用の日曜電化製品であればともかく、パワフルな電動工具の場合は厳しいかもしれません。
定格出力:交流100V-1.6kVA
直流:12V-8A(12Vバッテリー充電専用)
連続運転時間:約3.4h
使用燃料:自動車用レギュラーガソリン
燃料タンク容量:3.6L
騒音レベル(定格負荷):91dB(A)/LWA
家庭用電気製品の大半が利用できる高出力インバーター発電機。
1.6kVAの電力を気軽に持ち運べる20.7kgのハンディタイプ。
信頼のHondaエンジンを搭載。長年の実績に裏付けされた耐久性。
実勢価格は12万円台からです。
1600Wまでの出力に対応できるので電動工具などかなりの製品に耐えられます。
その分重量は重めですが倒れにくい安定性があり、取っ手もついており持ち運びは可能です。
また負荷に応じてエンジン回転数を制御しムダを減らすエコスロットルを採用しているので、負荷のかからない製品の場合は仕様時間が大幅に伸ばせます。
長時間の使用にも安心の最大連続運転時間8.1時間(エコスロットル作動時)。
50Hz/60Hz切替可能
低騒音型。国内排出ガス自主規制適合。
定格出力:2.5kVA
4ストローク式エンジン
燃料:無鉛ガソリン、排気量:171ml
連続運転:約13.2-6.1時間(1/4-定格負荷)
質量:29.0kg
サイズ:50.6 x 47.4 x 42 cm
電動工具メーカーとして有名なマキタからは、やはりその使用に耐える大出力のシリーズが販売されています。
(このシリーズでは2.5kVAのほかに、2.8kVA、4.0kVAの物も販売されています)
このモデルは実勢16万円前後からです。
安定した発電力。幅広く使えるインバータ発電機。パソコンや精密機器も安心。
エコノミーコントロールがエンジンの回転数を自動制御。
効率の良い発電が行え長時間の安定した電気供給と低燃費を実現しています。
定格出力が大きく、ほぼすべての電動工具に対応しているのですがその分重量も大きく、持ち運びはそれなりの労力は必要でしょう。
定格交流出力50/60Hz:100V-0.85kVA
定格直流出力:12V-8.3A
騒音値(dB):60
燃料:プロパン
連続運転時間(h):約10(5kgボンベ)
●全長(mm):400●全幅(mm):330●全高(mm):390●質量(kg):20
使用温度範囲:-15~40℃
周波数切替スイッチ付、リコイルスタータ
ガスを使用するタイプのインバータ発電機で、実勢価格は11万円前後からです。
ガスボンベは外付けで、ホースで接続していきます。ガスなので長期保管後も始動がスムーズです。
付属の燃料ホースと専用レギュレーターで組み立てが簡単です。
定格周波数:50Hz/60Hz 切り替え
交流:[定格出力]1.6kVA
[定格電圧]100V
[定格電流]16A
並列時交流:[定格電圧]100V
直流:[定格電圧]12V、[定格電流]8A
燃料タンク容量(赤レベル):3.9L
使用燃料:自動車用無鉛ガソリン
連続運転可能時間(定格負荷-1/4負荷):3.7h-9.2h
エンジンオイル容量:0.38L
始動方式:リコイル式 ACコンセント:20A×2個
商品重量 約22 Kg
このモデルは定格出力が0.9kVA 1.6kVA 2.5kVAの3つが販売されています。
真ん中の1.6kVAの物が比較的人気で、実勢価格は7万円台からです。
8Aシガーソケットもついていますのでそちらからも充電、給電などが可能というのも特色でしょう。
重さはこのクラスとしては並みですが専用キャリー(別売)を使えばスーツケースのように運ぶことも可能です。
あとは現状交流でどの程度使用中電力に余裕があるかを3つのランプで知らせてくれるので(上限の70% 90% 95%使用時に点灯)あとどの程度使用できるのかの目安になるかもしれません。
こうした細かい機能を考えると、コスパに優れているのかもしれません。
定格交流出力50/60Hz:100V-1.6kVA
定格直流出力:12V-8A
騒音値(dB):51.5〜61
タンク容量(L):4.2
全長(mm):490 全幅(mm):280 全高(mm):455
連続運転時間(h)(1/4負荷〜定格負荷):10.5〜4.2時間
質量(kg):20
周波数切替スイッチ、オイル警告装置付 エコノミーコントロール付 リコイルスタータ
OHVエンジンを搭載しています。 国土交通省指定 ’97基準値超低騒音型です。 用途:パソコンや電子制御工具にも。
実勢価格は14万円前後からです。
商用電源と同等正弦波に近い波形の良質な電気です。
持ち運びやすいスリムなボディーで、同機種2台並列運転により3.0kVA出力機能付です。
1.6kVAの定格出力の高さの割には軽量で、20kg程度しか重さがないこと、また並列にすることで倍近い出力の電化製品を使用できます。
価格の高さはパワフルな割に軽量なところかもしれません。
いかがでしたか?
ここで挙げたのはもちろん各社から売れ筋の機種を1つずつ取り上げて比較してきたので、まだまだ比較できる候補も多いと思います。
しかし最初に決めておきたいのはやはり定格出力が0.9kVAか1.6kVAか(またはそれ以上か)ということになりそうです。
その上で燃料の供給方法とサイズ(特に重量)との兼ね合いで決めていくのがベストでしょう。
あとは細かい機能(12Vのバッテリーを充電できるものが多いがどの程度できるのか、シガーソケットなど別系統への給電システムはあるのかなど)を拾っていき、最終的に価格と突き合わせて決めていくのがベストと思います。
インバータ発電機は単価も高いのと運搬や置き場所など配慮することが多いので、定格電圧を軸にして合理的に、目的に合ったものを選んでいきましょう!